遺族年金は、国民年金または厚生年金の加入者が亡くなったとき、残されたご家族に支給される公的年金です。遺族の生活を支える重要な制度ですが、複雑な受給要件や手続きがあり、多くの方が「自分はもらえるのか?」「どうやって申請すればいいのか?」と悩まれています。
目次
遺族年金の基本
遺族年金は、国民年金または厚生年金に加入していた方が亡くなった場合に、その方によって生計を維持されていた遺族に支給される年金です。
遺族年金の種類
| 種類 | 対象者 | 主な受給者 |
|---|---|---|
| 遺族基礎年金 | 国民年金加入者 | 子のある配偶者、子 |
| 遺族厚生年金 | 厚生年金加入者 | 配偶者、子、父母、孫、祖父母 |
💡 ポイント
厚生年金加入者の場合、遺族基礎年金と遺族厚生年金の両方を受け取れる場合があります。
遺族基礎年金とは
遺族基礎年金は、国民年金加入者が亡くなった場合に、子のある配偶者または子に支給される年金です。
受給できる遺族
- 死亡した方に生計を維持されていた
- 18歳到達年度の末日までの子がいる配偶者
- またはその子
- ※障害等級1級または2級の子の場合は20歳未満
支給額(2026年度)
| 受給者 | 年額 |
|---|---|
| 子のある配偶者(基本額) | 816,000円 |
| 子の加算額(1人目・2人目) | 各234,800円 |
| 子の加算額(3人目以降) | 各78,300円 |
✅ 具体例
妻と子2人の場合:816,000円 + 234,800円 × 2 = 年額 1,285,600円(月額約107,000円)
遺族厚生年金とは
遺族厚生年金は、厚生年金加入者が亡くなった場合に、その方によって生計を維持されていた遺族に支給される年金です。
受給できる遺族(優先順位順)
- 妻または55歳以上の夫
- 子(18歳到達年度の末日まで、または20歳未満で障害等級1級・2級)
- 55歳以上の父母
- 孫(18歳到達年度の末日まで、または20歳未満で障害等級1級・2級)
- 55歳以上の祖父母
💡 注意
夫、父母、祖父母は55歳以上が条件で、実際に年金を受け取れるのは60歳からです。
支給額の計算式
遺族厚生年金の額は、亡くなった方の厚生年金加入期間と平均給与によって決まります。
計算式:
遺族厚生年金 = 老齢厚生年金額(本来額)× 3/4
※加入期間が25年(300月)未満の場合は、300月とみなして計算されます。
受給できる人の条件
「生計を維持されていた」とは?
以下の2つの条件を両方満たす必要があります。
| 条件 | 詳細 |
|---|---|
| 1. 生計同一要件 | 死亡当時、同居していた(別居の場合は仕送りや定期的な音信があった) |
| 2. 収入要件 | 前年の収入が850万円未満(または所得655万5千円未満) |
こんな場合も受給できます
- ✅ 事実婚・内縁関係の配偶者
- ✅ 別居中でも仕送りがあった場合
- ✅ 離婚後でも子への養育費支払いがあった場合
- ✅ 再婚後でも前配偶者の子が受給できる場合あり
⚠️ 注意
事実婚や別居のケースは証明が難しいため、専門家のサポートを受けることを強く推奨します。
支給額の目安
ケース別の支給額例
| ケース | 年額(概算) | 月額 |
|---|---|---|
| 自営業者(国民年金)+ 妻 + 子2人 | 約129万円 | 約10.7万円 |
| 会社員(平均月収30万円)+ 妻 + 子2人 | 約180万円 | 約15万円 |
| 会社員(平均月収50万円)+ 妻 + 子2人 | 約230万円 | 約19万円 |
| 会社員(厚生年金)+ 妻のみ(子なし) | 約80~120万円 | 約7~10万円 |
📊 算出根拠
上記は2026年度の年金額に基づく概算です。実際の支給額は、亡くなった方の加入期間、平均標準報酬額、遺族の状況により異なります。
申請に必要な書類
基本的な必要書類
| 書類名 | 取得場所 |
|---|---|
| 年金請求書 | 年金事務所 |
| 年金手帳または基礎年金番号通知書 | 本人保管 |
| 戸籍謄本(死亡の記載があるもの) | 市区町村役場 |
| 世帯全員の住民票 | 市区町村役場 |
| 死亡診断書のコピー | 病院 |
| 請求者の収入証明書 | 市区町村役場(所得証明書) |
| 振込先口座の通帳コピー | 本人保管 |
| 印鑑 | 本人保管 |
ケース別の追加書類
- 事実婚の場合: 生計同一証明書、第三者の証明書
- 別居の場合: 仕送りの証明(振込記録など)
- 子がいる場合: 子の在学証明書(高校生以上)
- 障害のある子の場合: 診断書、障害者手帳のコピー
💡 専門家に依頼すべき理由
書類の不備や記入ミスがあると、審査が長引いたり、不支給になるリスクがあります。当センターでは、書類の準備から提出まで完全サポートいたします。
申請の流れと期限
申請の8ステップ
最寄りの年金事務所に電話で予約
年金事務所で必要書類のリストをもらう
戸籍謄本、住民票、所得証明書などを取得
年金事務所でもらった請求書に記入
書類一式を年金事務所の窓口に提出
日本年金機構で審査(通常2~3ヶ月)
支給決定の通知が郵送で届く
偶数月の15日に2ヶ月分ずつ振込
申請期限
⚠️ 重要:時効に注意
- 遺族年金の請求権は死亡日の翌日から5年で時効
- 5年を過ぎると、それ以前の分は受け取れなくなります
- できるだけ早く申請することを強く推奨します